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堀江 知義; 辻村 誠一*; 湊 章男; 東稔 達三
Nucl.Eng.Des./Fusion, 5, p.221 - 231, 1987/00
核融合炉の第一壁およびダイバータ板は、厳しい条件下に置かれるため、設計上、寿命評価が重要である。この寿命を制限するメカニズムを検討するために、1次元の板モデル,2次元の弾塑性有限要素法を用いて寿命解析を行なった。実験炉第一壁はディスラプション時に大きな圧縮応力が生じ塑性変形が生じるが、温度が下がると引張り応力になる。照射クリープで応力緩和すると、ディスラプションのたびにひずみが蓄積される。通常運転時は6MW・y/m以下の低フルエンスでは照射の影響は無く、エロージョンと疲労損傷で寿命が決まる。実験炉ダイバータ板は接合構造であり、2次元的な変形及び銅のシェークダウンの影響があり、2次元弾塑性解析が重要である。動力炉第一壁の最大板厚は熱応力よりもスウェリング差で、最小板厚は冷却材内圧による膜応力で決まるなどの成果が得られた。
関 昌弘; 小川 益郎; 湊 章男; 深谷 清; 東稔 達三; 三木 信晴
Nucl.Eng.Des./Fusion, 5, p.205 - 213, 1987/00
本研究は、現在原研で設計を進めている核融合実験炉のダイバータ板の一例として提案されているタングステン-銅(W-Cu)接合構造の熱疲労に対する健全性を調べたものである。すなわち、タングステンと銅をロー付けした接合試験片を製作し、アルゴンプラズマジェットを用いてタングステン表面に周期的に熱負荷をかけ、試験前後に走査型電子顕微鏡による微細構造の検査とヌープ硬さの測定を行った。ロー付け以外にも直接鋳込み方式によるW-Cu接合材を製作し、同様の試験を行った。試験の結果、いずれの試験片も破断することはなく、タングステンと銅のロー付け、および直接鋳込みによる接合方式が有効であり、W-Cu接合構造は熱疲労に対して十分健全であることがわかった。
清水 正亜; 大久保 実; 山本 正弘; 高津 英幸; 安東 俊郎; 中村 博雄; 秋野 昇; 川崎 幸三; 浦川 宏*; 大都 和良*; et al.
Nucl.Eng.Des./Fusion, 3(4), p.249 - 264, 1986/00
結界プラズマ試験装置JT-60は主半径3m、副半径0.95m、トロイダル磁場4.5T、プラズマ電流2.7MAの大型トカマク実験装置である。この本体は主として真空容器、トロイダル磁場コイル、ポロイダル磁場コイル及び架台から成る。これら各構造物には超高真空、強大な電磁力、高熱負荷及び複雑な幾何学的条件などにより厳しい設計条件が課せられた。1978年4月に設計を開始し、現場の据付は1983年2月から1984年10月まで行われ、さらに1985年3月まで各種試験が行われた。ここでは、これらの設計、製作、組立および試験について報告する。
岡崎 隆司*; 杉原 正芳; 西尾 敏; 藤沢 登
Nucl.Eng.Des./Fusion, 3, p.73 - 80, 1985/00
被引用回数:3 パーセンタイル:47.07(Nuclear Science & Technology)RF電流駆動を用いたプラズマ立上げシナリオを決定するための解析手法を提案する。RF注入エネルギーを最小にする観点から、変分法を用いてシナリオを求める。RF電流駆動を用いる場合のシナリオは、電磁誘導を用いるシナリオとは大幅に異なることがわかった。例えば、プラズマ温度は、立上げ初期のフェイズに定格値近くまで増加させる、プラズマ電流は、リターン電流を抑制するためにゆっくりと立上げる、等である。トカマク輸送コードを用いて、上記シナリオの妥当性を確認した。また、不純物量の増加等により、RF注入エネルギー低減できることがわかった。
西尾 敏; 杉原 正芳
Nucl.Eng.Des./Fusion, 3, p.59 - 62, 1985/00
被引用回数:1 パーセンタイル:24.17(Nuclear Science & Technology)低域混成波を用いて密度の低いプラズマの電流を駆動する、いわゆる準定常運転シナリオをトカマク炉に導入した場合、トロイダル磁場コイルに作用する転倒力による応力振幅が従来のパルス運転にくらべて大幅に低減されることが明らかとなった。特に、非円形ダイバータプラズマにおいて、電流が同じであるとすると平衡コイルに必要な電流は高時より低時の方が大きいので、変流器コイルの再充電時のプラズマ電流を適当な値に設定することによって応力振幅の低減はさらに著しくなる。
杉原 正芳; 藤沢 登; 山本 巧; 西尾 敏; 岡崎 隆司*; 飯田 浩正; 吉津 達弘*; 中島 昭裕*
Nucl.Eng.Des./Fusion, 1, p.265 - 277, 1984/00
被引用回数:2 パーセンタイル:29.96(Nuclear Science & Technology)低減混成波を用いた電流駆動による、トカマク核融合炉の準定常運転における変流器コイル再充電シナリオの最適化を、簡単な物理モデル方式によって検討した。このシナリオにおいては、変流器コイルの再充電時間の最小化、又はそのために必要な蓄積エネルギーの最小化が重要であり、それはプラズマ温度をあまり高くせずに十分に大きな高周波駆動電流を流すことによって達成できる。低密度で、中の広い波のスペクトルがこのために必要であることが示された。核融合実験炉の基本パラメータに対しては、最小充電時間は3~5秒1V・secである。
横溝 英明; 笠井 雅夫*; T.Taylar*; R.Callis*; D.Doll*; 相川 裕史; 狐崎 晶雄; 木島 滋; 松田 俊明; 永見 正幸; et al.
Nucl.Eng.Des./Fusion, 1(3), p.279 - 285, 1984/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.16(Nuclear Science & Technology)中性粒子加熱実験時(ビームパワー2MW)に、TiCコーティング付ポコグラファイトでできている主リミタの2枚のタイルが破損した。この損傷の原因は、過熱負荷(2.3kW/cm)による熱応力によるものと思われる。タイル破損にひきつづいて不純物の注入が急激に起って、メイジャーディスラプションが生じた。この事故時には、リミタタイルの温度は、300Cを超えていた。この種の事故は、リミタタイルの温度を慎重にモニタすることによって未然にふせげるものである。